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2007 – 2012

未来はどこまで?

信念を持って仕事に意味を持たせるデザイナーやメーカーにとって、技術的な問題、市場の需要、新しいデザイナーやインスピレーション、工場の起伏変化に追いていくことはとても困難であります。企業にとっては生産された商品の利益をいかに上げ、得た利益を文化やコミュニケーション、イメージなどの新たな投資として利用し、いかに継続して販売出来るかが一番大きな課題になってきます。だからこそ、今後のFLOSが、市場騒動やユーザーの欲望にかき乱れずに、独自の概念を保ちつつ、どのようなプロジェクトに挑みたいかは大変重要な質問になってきます。

建築部門の多様化はまず、アーティストやデザイナーへ新たな表現領域を与え始めました。
だからこそ、2007年の2月にはバルセロナにて(リチャード・メイヤーの設計による純白で月のようなMACBA美術館) FLOS ARCHITECTURALのカタログが発表されました。また、数ヶ月後にはローマの、ジャニコロの丘やサンタンジェロ城のような記念碑的芸術の最も美しい場所にて、光を投影したジェニー・ホルツァーの盛大な作品を見に、何千人もの訪問者が訪れました。これだけでなく、モンフォルテ通りに同年にオープンした新しいFLOSのショールームに新製品の展示と共に、その作品の周りに若手デザイナーたちがインスタレーションを発表するようになりました。これはまた、私にとっては印象的な場所です。私はそこでイタロ・ルーピや他の親愛なる友人と共に、新しい国際的なデザイナーのことを雑誌”ABITARE”の編集部の一員として長年語っていました。これらの親友の中で最も優れたジャスパー・モリソンがFLOSのためにこれらのスペースを設計しました。そこでは、自然光と人工光、地上階と地下室が交互します。また、自然の暗闇は岩石、水、暗色、反射面と非反射面を通る異なる光を体験させてくれます。つまり、アイデアと形に精通していながらも、アートとデザインの融合に成功するには一般的な関心以上の何かを持ち合わせていなければなりません。(つまらない結果に辿り着く可能性もある為、結構困難なことでもあります)。誰かが実際のモノとして確かなカタチにするまでは、ただの抽象的な概念でしかありません。多くの場で公表されながらも具体的な事例が少ないサステナビリティの概念もその一例である。FLOSは、このテーマを元に発明者を集い、話し合いをし、完全に生分解出来る樹脂を生み出し、2012年には新しい小型ランプを発表しました。それはランプでありながら自然界のものの流れの1つであり、使用不可になった時点で消滅するよう設計されていました。

では、形のないものをどのように形あるものに変化出来るのか?それとも、形のないものを生産することは本当に無理なのか?光は粒子/波動の性質をしており、その定義によると形のないものではないのか?現在の市場やサービスでは形あるものより、「情報」が購入され、具体的なコンタクトよりバーチャルな経験が増加しているため、これらは哲学的な憶測だけではありません。新しい産業文化は技術と芸術の歴史の中で前例のないこの状況に対処するための方法や戦略を定義することが必要になっております。この段階で FLOSは、正しい軌道にに乗っているといえるでしょう。例えば、2011年のEUROLUCEの展示の際にモンフォルテ通りのショールームでSESTOSENSO(セスト・センソ、第六感の意)と言う、赤いライトによるバーチャルな車が走っている映像を映す、ポール・コクセージの作品が一般に公開されたのもその一例です。

私の一生涯で、DOMUSや書籍にFLOSについて語るため、又は、プロダクトやデザインの将来についてより開放的で工業的なビションを聞きたいがためだけに、ピエロ・ガンディーニと会う機会が多々ありました。その度に、行動主義や実験的な欲望を持ち始めているアーティストを見抜く独特な力以外に、常に革新にチャレンジする姿勢と「冷たい情熱」をもったデザイナーに見えた。彼は確かに物質的なものを生産してきたが、定義によって「形のないもの」の常に新しいあり方を提案し続けてくれた。それはエキサイティングでやりがいがあるが、時には困難でいくつかのリスクを有する綱渡りゲームのように感じます。それは、未だに想像できない未来への挑戦であり、その挑戦を受けた人にはまだ数多くの可能性を秘めているデジタル技術が助けてくれるのです。人工光の魅力的な現在と未来を精一杯生き、何が起こるのか見とどける価値があります。もしかしたら将来、50年後とかに、我々の後に続く人々にそれを伝えることができると考えるだけでも価値があるでしょう。

Stefano Casciani

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    Palazzo Grassi, Francois Pinault Collection, set-up by Tadao Ando, Flos Contract Division, Venezia, 2006
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    Jasper Morrison, design of the Flos Professional Space basement, Milan, 2007
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    The Dutch Attack, Marcel Wanders and Tim Derhaag exhibition, with Zeppelin and 45 Degrees lamps, Tokyo, 2006
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    Presentation of the Flos Architectural catalogue at the MACBA museum, Barcellona, 2007; on the right, Piero Gandini with Mike Zancan
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    Jenny Holzer, For the Academy event-show, in collaboration with Flos, Gianicolo Fountain, Rome, 2007
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    Opening of the Flos showroom in New York, Greene Street, 2010, design Fabio Calvi